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原審で敗訴した場合、控訴審での逆転にむけた準備期間は非常に限定されています。

控訴審では控訴状提出後、50日以内に控訴理由書を裁判所に提出する必要があります。

原審で敗訴した場合、判決の言渡し(判決書の送達)を受けた翌日から起算して2週間以内に高等裁判所に控訴を申し立てる必要があります(民事訴訟法285条)。そして、控訴状に原判決の取消し又は変更を求める事由を記載しなかった場合は、控訴提起後50日以内に原判決の取消し又は変更を求める事由を記載した書面(控訴理由書)を提出する必要があります(民事訴訟規則182条)。

原判決の言渡しを受けた場合、控訴期間である2週間の多くは、原判決の内容内容検討を行い、依頼者への説明及び方針検討の打合せを行うことに費やされてしまいます。そのため、実質的には控訴理由書の作成期間は40日前後ということになります。

控訴審では、初回弁論期日前に提出する控訴理由書により原判決を取消し又は変更する必要があるとの心証を抱かせる必要があります。

控訴審は、民事訴訟法の講学上は原審である地方裁判所の審理に引き続いて審理を行う制度(続審制)を採用しているとされています。もっとも、原判決は、原審において当事者が主張立証を尽くしこれに依拠してなされたものであることから、控訴審では、基本的に判決にたる主張立証はなされており、これを前提に原判決の判断に誤りがないかという観点から判断を行うという運用がされています。

この結果、控訴審においては、第1回弁論期日前に、控訴人が提出する控訴理由書と被控訴人が提出する反論書が提出され、これを踏まえて第1回弁論期日を開き、追加の主張立証を必要とする特別な事情がない限り、審理を終結(弁論終結)し、判決言渡し期日を指定するとの運用が定着しています。

したがって、控訴審で原審の敗訴判決を覆すには、

①原審における主張立証を前提として、原判決の判断の誤りを明らかにする

②第1回口頭弁論期日までに主張立証を追加し、原判決の誤りを明らかにする(又は少なくとも原判決を見直すために控訴審の審理を続行する必要があると認識させる)必要

があります。

間違っても、取りあえず控訴理由書で原判決を批判して審理を続行してもらい、じっくりと逆転のための訴訟活動をしようと考えてはいけません。第1回弁論期日であっさり結審され、控訴審での訴訟活動がほとんどできなかったという憂き目にあいます。

控訴審で弁護士を変更する場合、その選任期間を含めると控訴理由書作成の期間はさらに限定されます。

既にご説明したとおり、控訴審では実質的には40日前後の期間で原判決の取消し又は変更に向けて控訴理由書を作成する必要がありますが、控訴審で弁護士を変更する場合は、すでに候補者が決まっている場合でない限り、新たに委任する弁護士を選任するための準備期間が必要になります。そのため、控訴審での逆転に向けての準備期間は非常に限定されることになります。

遺言無効確認請求訴訟の経験がない弁護士では逆転に向けた準備は困難です。

控訴審で原判決を逆転するためには、原審での主張立証を検証し、①原審における主張立証を前提として、原判決の判断の誤りを明らかにする、②第1回口頭弁論期日までに主張立証を追加し、原判決の誤りを明らかにする(又は少なくとも原判決を見直すために控訴審の審理を続行する必要があると認識させる)というアプロ―チが必要です。

そして、①の場合、原審で主張立証した個々の事実やこれらを総合した場合の評価について説得力のある論証をすることが求められます。遺言の無効主張をする場合、多くの案件で主張される典型的な事実関係と当該案件に特徴的な事実関係を加えて主張することになりますが、限られた時間で控訴理由書を作成するため、前者の事実関係については時間をかけずに押さえた上で、後者に時間を割くことが求められます。

また、②の場合、原審における主張立証と原判決の内容を検討し、原判決を取消し又は変更するために不足している事実関係を押さえ、その 事実を立証するための具体的な証拠とその収集方法を即座に把握する必要があります。

以上の作業は、遺言無効確認請求訴訟を経験していれば対応できますが、経験がない場合、典型的な事実関係の内容、追加立証するために必要な証拠やその収集方法から調査を行うことになりかねず、時間のロスが生じます。その結果、控訴理由において、原判決を取消し又は変更の必要をあきらかにすることができず(更に言えば、控訴審の審理を続行させることすらもできず)、第1回弁論期日で審理が終了されてしまうということになる恐れがありまする恐れがあります。原審の審理と違い控訴審では時間的な余裕をもって審理が行われるわけではないため、訴訟準備が後手にまわると致命傷になりかねません。

遺言無効確認請求訴訟は、一般的な訴訟案件に比べて案件数が少ないため経験のない弁護士も少なくありませんが、未経験の弁護士では控訴審で逆転するための準備は困難と言わざるを得ません。

遺言無効確認請求訴訟は原審と控訴審で判断が分かれやすい訴訟類型です。

遺言無効確認請求訴訟は当事者である遺言の名義人が死亡しており、立証資料も限定されているため、無効か否かの判断が微妙になりやすい訴訟類型です。

遺言無効確認請求訴訟が係属している場合、その判断対象となる遺言の名義人は既に亡くなっており、もっとも遺言の効力についてよく知る当事者に事情を確認することができません。しかも、遺言無効確認請求訴訟は、遺言作成から何年(場合によっては10年以上)も経過してから、提起されるのが通常です。そのため、証拠の確保が難しく、限定された資料で遺言無効について立証することを余儀なくされます。

遺言無効確認請求訴訟では、間接事実を総合評価して遺言が無効か否かが判断されています。

遺言無効確認請求訴訟においては、遺言が名義人の自書か否か(自筆証書遺言)、口授がなされたか(公正証書遺言)、遺言能力が欠けていたか(自筆証書遺言・公正証書遺言共通)が争点となります。

遺言が名義人の自書かについては、実務上、遺言作成の経緯・動機、内容の合理性等の間接事実を幅広く検討し、これらを総合的に評価して自書か否かを判断しています。

また、口授や遺言能力という要件は、あらかじめその具体的内容が明確になっているものではなく、裁判所が認定した事実を評価し、口授や遺言能力があるといえるか否かを判断する必要がある規範的(評価的)な要素を含んでいます。

そして、事実認定に比べて、評価については判断主体である裁判所によって結論が分かれやすい傾向があります。

そのため、遺言が無効か否かについて争点となる自書性、口授・遺言能力の有無については、判断主体である裁判所が変わることにより、その結論が変わる可能性がでてきます。このことは、原審と控訴審における証拠関係が同一の場合は勿論、控訴審において追加の立証がされた場合、より結論に影響が出やすいと言えます。

このように、遺言無効確認請求訴訟は、原審と控訴審で判断が分かれやすい要素を孕む訴訟類型ですので、原判決を検証した上で、控訴審の判断を仰ぐ価値はあります。

事例研究
遺言を有効とした原判決が控訴審で取り消された事例

事例1

うつ病・認知症にり患した患者が作成した公正証書遺言について、遺言能力を欠き無効との主張を排斥して遺言を有効とした原判決について、控訴審が遺言能力を否定して遺言を無効と判断した事例

原審 :横浜地方裁判所横須賀支部 平成24年9月3日判決
控訴審:東京高等裁判所 平成25年3月6日判決

遺言無効の判例百選

事例2

認知症に罹患した状態で作成された遺言公正証書について、原審が遺言者の口授を認め、遺言能力を欠くとは言えないとして遺言が無効との主張を排斥した原判決について、控訴審が遺言能力を否定し、遺言を無効と判断した事例(口授については判断せず)

原審 :東京地方裁判所立川支部 平成29年2月15日判決
控訴審:東京高等裁判所 平成29年8月31日判決

遺言無効の判例百選

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弁護士紹介

弁護士 小池智康
弁護士法人 Bolero 南越谷法律事務所 代表社員
埼玉弁護士会所属 登録番号36410

遺言無効 .com をご覧いただきありがとうございます。

南越谷法律事務所は、平成24年6月1日に設立されて以降、遺産分割、遺留分問題を主要業務としてまいりました。その間、遺留分減殺請求の相談の一部に、そもそも遺言の効力が問題になる案件が含まれていること、他方で、遺言の効力を争う遺言無効確認請求訴訟については、遺産分割や遺留分減殺請求ほどには引き受け手となる弁護士が多くないとの状況(公正証書遺言に対して無効主張をする場合は敬遠されているとの表現が相応しいかもしれません)を踏まえ、遺言の無効主張をする側からの受任 に特化した遺言無効 .com を立ちあげました。

遺言無効 .com は公開から3年を経過し、遺言の無効主張についてのご相談を定期的に受けるようになってまいりましたが、その中で1審において敗訴判決を受け、控訴審では弁護士の変更を考えているとの相談が増えてまいりました。敗訴判決の原因はさまざまな要素により形成されており特定することは困難ですが、なかには1審における主張立証が不十分であったり、別の観点からの主張が適切と思われる事例があることも否定できません。このような場合は、控訴審で弁護士を変更することも一つの選 択肢になると思われますが、遺言無効確認請求訴訟を積極的に受任する弁護士が少ないなかで、控訴審から受任する弁護士はさらに少数と思われます。その結果、依頼者の方は、1審を担当した弁護士に引き続き依頼するか、遺言無効確認請求訴訟についての経験のない弁護士に控訴審を依頼することを余儀なくされている現状があると思われます(もちろん、弁護士として十分な能力を持ち合わせており、遺言無効確認請求訴訟の経験がなくとも問題なく控訴審に対応できる弁護士が存在することを否定するものではありません)。

そこで、弁護士法人 Bolero は、遺言無効確認請求訴訟の控訴審からの受任について情報を提供するとともに、控訴審での弁護士変更を検討されている方について情報を提供するため、当サイトを開設いたしました。選択肢を提供するため、当サイトを開設いたしました。
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